社会人になるとまず初めに憧れる職種と言えば「企画職」を挙げる方が多いかと思います。
新卒の方や若い方が、就職活動や転職活動を行う時に面接時に「会社で何をしたい?」と言う質問に対して「企画したいです」と言う方が多い中で、「企画とは何か?」を考えて行きたいと思います。
まず初めに言えるのは、世の中で出来上がった企画とは「人が作り上げたモノゴト」であることを忘れてはいけません!!
スマートフォンはロボットや機械が企画した物ではなく、人が企画して創られた物です。
世の中でバズッたモノゴトだって人間が企画して出来上がったモノゴトです。
この記事を書いている私は「WebやTVPR」のプランナーとして企画の仕事に携わる立場として感じる企画論を書かせて頂ければと思います。
少しでも企画職に携わる方に役立つ記事になればと思います。
世の中にある「普通なモノゴト」をいかに魅せるかが企画です
とある企業から「うちの商品をPRしたいから企画を作って欲しい」「うちの会社のSNSのフォロワー数を増やす為の企画を作ってくれないか?」と依頼が着ました。
ただ、依頼が来た商品には大きな魅力がありません・・・SNSに関しても特にフォロワーを増やす為に鍵となるモノゴトは見つかりません・・・
そんな時、どの様に企画を立てれば良いのでしょうか?商品PRの企画を1日で作り上げて、民放番組に数多く露出させるのは厳しいかと思います・・・
同様にSNSのフォロワーを1日で100,00人増やす企画を創ることも難しかと思います・・・
そうなるとどうすることも出来ずにお手上げ状態になってしまいますよね・・・
ただ、ここで「諦めるのはまだ早い!!」と言うのが自論です。世の中で求められる企画の大半は「普通のモノゴトをいかに企画で魅せて消費者に提供することが出来るか」求められることが大半だと思います。
企画イコール今まであったモノゴトから派生して出来上がったモノゴト
SNS映えするスイーツだって世の中で元々存在するスイーツを組み合わせて出来た物が大半です。
携帯電話に写真機能を付けた企画だって、元々世の中にあった携帯電話とカメラをくっつけて出来上がった物です。
出来上がった企画がとても革新的に見えたとしても、元々あったモノゴトから派生して出来上がったモノゴトが大半です。
商品やサービスに特徴が無くても商品の魅せ方を違う角度から魅せることで、素晴らしい企画が出来上がる可能性があるのです。
企画とは発明ではない!凡人でも企画は創れるもの
上記で企画とは世の中に存在するモノゴトから出来上がったモノゴトであると説明してきました。
ただ、中には業界の専門家が作り上げた今まで世の中に無かったモノゴトが企画で出来上がることもあるでしょうが、それは企画ではありません。
専門家が作り上げたモノゴトは、専門家でないと作れない企画であり、それは発明です。
世の中に存在するモノゴトから創られる企画は、専門家でなくても創り上げることが出来るのです。
特別専門的な知識が無くても企画は創り上げることが出来るのです。その為、凡人と言うと聞こえは悪いですが、普通な方でも企画を創ることは出来るのです。
「特別な才能や学力が無いと創れない」と企画の仕事が出来ないと考えている方は考え直して頂ければ何よりです!!
企画力に必要なスキルその1「情報・知識収集」すること
企画は誰にでも出来るとお話しさせて頂きましたが、それでは企画力を身に着けるためには必要なことは何か?
まず一番初めに大事なことは、様々な情報や知識を集めていくことが重要になります。企画は世の中に存在するモノゴトから創られるため、世の中にあるモノゴトについて常識的な情報や知識からあまり知られていない情報や知識を身に着けていくことが重要であるかと思います。
情報や知識を身に着けていくことで、1つの企画を作り上げていく中で、手に入れた知識や情報を活用していきます。
ここで1つ企画例を紹介したいと思います。
「新商品のファンデーション(化粧品)の売り上げを上げるための企画を作ってほしい。」と企画の依頼が来た場合。
上記の企画依頼がきたら、必要な情報や知識を集めてきます。
・ファンデーションはどのメディアで売るのが的確か?
(クライアントからもらった情報や知識)→まずはネットで販売しながらテレビやネットで話題になることを目指すのがクライアントからの要望
・クライアントのファンデーションは「どんな年齢層」「どんな方」に売っていきたいか?
(クライアントからもらった情報や知識)→10代~20代の女性
・クライアントのファンデーションはどんな特徴があるのか?商品に対す想いは?
(クライアントからもらった情報や知識)→色展開が豊富、感触が軽やか、汗や湿度にも強い特殊な製造法をしている、安い、会社のコンセプトとして若い方が喜んでくれる化粧品を作りたいという想いがある。
・ファンデーションを使用している方は女性ばかりでない?
(自分で見つけてきた情報や知識)→最近の某雑誌に出ていた10代~20代前半の男性もファンデーションを使う方が増えてきている情報を見つけた
・SNS映えを意識している方が写真映りを気にする方がファンデーションにこだわる?
(自分で見つけてきた情報や知識)→Webメディアの情報で10代の女性はSNS映えを意識するため、化粧品の中ではファンデーションにお金を掛ける傾向があるという情報を見つけた
・ターゲットユーザーのファンデーション購入単価は平均で〇〇〇円
(自分で見つけてきた情報や知識)→ネットの情報によると、自分に合えばファンデーションにお金を掛けるという情報を見つけた
※上記の情報や知識は架空で作った内容です。
ファンデーションに関しての情報や知識を集めてきました。
「情報や知識を集めるためにはどうすればいいのか?」とお困りな方へこれは簡単です。
情報や知識を見つける為のツール
現在インターネットを開けばほしい情報が手に入る時代です。ネットで必要な情報を探すことは基本的な情報を見つけることが出来るためマストな「情報・知識収集法」です。
例えば、「検索エンジン」や「SNS」で「ファンデーション トレンド」や「10代 コスメ事情」等で検索してみることがおすすめです。
また、クライアントは企画を立てて欲しいことから、様々な情報や知識を提供してくれる為、クライアントとのヒアリングもマストです。
後、意外に忘れがちなのが、「書籍・新聞」と言った紙媒体から情報を探していくことも重要です!!
インターネットは様々な情報を探すことが出来る為、大変便利なツールであるのは間違いありませんが、紙媒体の情報や知識はインターネット上で探すことは原則出来ません・・・
その為、ネットにはない情報や知識が見つかることで、更なる可能性が広がる情報や知識を見つけることが出来る可能性もあるのです。
書籍や新聞を一語一句読んで情報を探すのは時間がかかる為、「流し読みで情報を見つける」「クライアントの業界に関連する書籍や新聞から情報を見つける」といった方法で見つけることはおすすめです。
書籍や新聞は情報を探すのが「面倒」「大した情報が無い」と言われる中で、ネットの様な誰でも気軽に使えるツールで見つかる情報よりも希少性の高い情報が見つかる可能性も高いです。
企画力必要なスキルその2「パズルのピースを当てはめる感覚」
企画案を作る為の知識や情報を取得したらいよいよ企画案を作成していきます。
企画案の完成形を作る方法は難しいとお考えの方は多くいるかもしれませんが、あまり複雑に考えなければ慣れとともにスムーズに作成することが出来るかと思います。
企画案を作る為の方法として、企画のために集めた「知識や情報」大枠をそれぞれパズルの様にピースを当てはめていくことです。
上記で取得した知識や情報を当てはめてみましょう。
- ①ネットで販売、TVやネットメディアで紹介されたい
②10代~20代の女性がターゲット
③色展開が豊富、感触が軽やか、汗や湿度にも強い特殊な製造法、安い。若い方が喜んでくれる化粧品を作りたい会社の想い
④10代~20代前半の男性もファンデーションを使う方が増えて着ている
➄若い世代の女性はSNS映え化粧品の中ではファンデーションにお金を掛ける
⑥若い女性であっても自分に合えばファンデーションにお金を掛ける
上記①~⑥の知識や情報を当てはめていくと、以下の様な企画案が出来上がります。
1:インターネットで通販サイトを作ろう
2: TVやネットで話題になりそうな情報をホームページ内に入れよう
2-1:TVやネットは話題性のある画を欲しがるため、若者の男性が現在ファンデーションを使う方が増えてきた情報を入れよう。今後プレスリリースを出して、取材を受けられる体制を作っていこう。
2-2:SNS映えがTVやネット上で話題になりやすいから「SNS映えに適したファンデーションであること」を商品の強みの1つとして通販サイト内で紹介しよう。
3:「汗をかく時期」「湿度が高い時期」にも使える「季節に適したファンデーション」であることを通販サイト内で紹介しよう。
パズルのピースの様に情報や知識を当てはめた結果、「これで企画案が完成!!」と言いたい所ですが、これだとまだ企画案としてインパクトに欠けるかと思います。
この時点では「企画案の土台」が完成されたに過ぎません。
そこで、クライアントへ納得してもらう企画案の完成形を作って行きましょう
企画力に必要なスキルその3「企画案に根拠を付ける」
企画案の土台だけだと、クライアントが納得する根拠が無い為、ラストスパートとして「クライアントが納得いく理由付け」を企画案の土台に足して行きましょう。
クライアントから納得してもらう為には「なぜその企画が成功するのか?」が重要です。
その為には、まず企画案の土台が成功する為の根拠となる知識や情報を探すことが重要になります。
「また知識や情報を探さなければいけないのか・・・」と面倒に思う方もいるでしょうが、証拠や根拠があると無いとでは企画案の説得力に差が出てきます・・・
ここで、企画案の土台に証拠や根拠のある知識や情報を探して行きます。
ただし、証拠や根拠に関して100%の答えでなくてもクライアントを説得できる内容であれば企画案に取り入れても問題無いかと思います。正直企画したモノゴトはやってみなければ成功するかどうかは分からないですから。
- ①SNSを開設するならば今のトレンドとしてインスタグラムのアカウント開設とYouTuberからの情報発信がマストである
②インスタを使うなら写真で投稿してもらって何か景品を上げる企画は経験上好感触だった実績がある
③男性がファンデーションは話題になる自信がある
④通販ページはランディングページ(1ページで縦長のサイト)で作成した方が購入ユーザーに商品の良さを訴えられる証拠を数値で出せる
➄メディアで話題にしてもらう為にはランディングページとは別に「情報を発信するサイト」が必要。その為、がオウンドメディア(情報発信コンテンツ)を作って、ファンデーションを絡めた「画になりそうなコンテンツ」を中心に発信するサイトを立ち上げよう
⑥成分内容から商品の良さを紐づける根拠を専門家から発信してもらえれば品質の良さが訴求できるはず。さらに品質が高いのに安いと言う内容も訴求しよう
上記の証拠や根拠を基に探してきた知識や情報を最後に組み合わせて企画案を完成させていきましょう。
企画力に必要なスキルその4「企画案に色を付ける」
いよいよ企画案を完成させる最後の工程です。「企画案の土台」と「証拠や根拠の情報」をプラスして、さらに企画案をクライアントに魅せる為の色を付けていきましょう。
「クライアントに魅せる為の色を付ける」と言うのは、クライアントへ企画案の内容が伝わる為の具体的な内容に落とし込むと言うことです。
- 1:●(商品名)は高品質低価格を訴求したランディングページを作成
通販サイトのデザインはランディングページで「成分」を軸に品質の良さを専門家の方へ紹介してもらうサイト作り。高品質なのに安さを解説したサイト作り。品質を基に季節に合わせたおすすめ商品の紹介したサイト作り。→売上げを意識した企画
- 2:盛れファンde選手権
インスタ投稿して「ファンデーションを使った盛れ写メ選手権」を開催。いいねの数が一番多かった方にはファンデーション1年分プレゼント。
→売上げ・商品ブランディングを意識した企画
3:カリスマYouTuber×●●(商品名)タイアップ企画「ファンデーション男子に捧げる愛の説教」
「美容のカリスマYouTuber女子が教える男性のファンデーションの塗り方ここがNG!!正しいファンデーションの塗り方教えます!!」と言ったコンセプトでYouTuberへ配信してもらう。
→売上げ・商品ブランディングを意識した企画
4:ファンデライフ(サイト名)の立ち上げ
ファンデーションの情報を網羅したオウンドメディアを立ち上げる。テーマは、このサイトを見れば「ファンデーションのことが何でも分かるサイト」をはじめ、「ファンデーションと恋愛を絡めたコンテンツ」を作って行く。
TVやネットメディアがファンデーションについてメディアで取り上げたいと情報を探している時、ファンデーションの情報を網羅しているサイトを持っていれば、取材依頼が来る可能性がある。
また、恋愛に絡めた企画はバラエティ番組や情報番組に取り上げられやすい。ネットへ取り上げられやすい。面白いコンテンツが出来上がったらプレスリリースの配信をして行く。
→メディア露出を意識した企画これで企画案は完成です。架空の会社や情報を基に作成した企画の一例ですので、企画内容のクオリティは突っ込み所のある企画内容かもしれませんが、企画内容を具体化させる為の色付けこそ、クライアントを口説く最後の重要工程となります。
その為、クライアントが興味の湧く様な内容を作り上げることが大変重要になりますので力を入れるのは必須です!!
あとは、作った企画をどの様に広めて行くかの「プロモーションやPR」方法が入ってきますが、これは企画後のお話しなので、また改めて違う記事で解説していきたいと思います。
企画案が創れない時でも原点を忘れない様にすること
企画案の概念や作り方を長文で紹介させて頂きましたが、企画案を創るのは簡単であると言わせて頂きました。
ただ、その言い方には語弊があるかもしれません・・・情報や知識が無い業界の企画案を創る時に、全く企画案が思い浮かばないこともあります・・・
その為、企画案を創ることは一概に簡単であると言う訳ではありませんが、企画案の作り方ステップ1~4までの工程を意識して創ることで、企画案を創るのに迷った時でも解決の糸口が見つかるかと思います。
「情報や知識を探すこと」は企画を創る上での基盤となる財産です。
「情報や知識を組み合わせて」組み合わせた内容に対して「根拠となる情報や知識をプラスして」クライアントに興味を持ってもらう「企画案に色付けること」を順番通りに行っていくことで、一本筋の通った企画案を作り上げることが出来るかと思います。
企画とは天才でなく、一般的な社会人スキルがあれば誰でも出来ることなので、どんどん企画を創ることを経験していき、クライアントに喜んで頂ける仕事が出来る様に頑張って行きましょう!!