世の中のメディアと言えば「テレビ・雑誌・新聞・ラジオ」の4大マスメディアが一般化していた中、2000年代から4大マスメディアの市場へ追いつく勢いで台頭してきたメディアがインターネットです。
電通が2020年に出した2019年日本の広告費を出した結果、今まで1位だったTVを超えて、インターネット広告費が初めて1位にランクインしました。
(2019年の4大メディアのランキングは1位テレビ・2位新聞・3位雑誌・4位ラジオ)
広告費がマスメディアのパワーバランスを変える絶対的な要因ではありませんが、インターネットは今やテレビと双璧を成すメディアにまで成長しました。
そんな中、メディアの対立抗争として「テレビVS インターネット」が出来上がり、「テレビVS YouTube」と言ったメディア論争が過熱しているのが、ここ最近のメディア競争の1つなのかと思います。
私はテレビとインターネットのプロモーションやPR事業に関わる仕事にしている中、「TV VS YouTubeの構図」に違和感を抱くことがあり、これからのメディアが悪い方向へ向かって行ってしまう様に感じます・・・
そこで、今回は「テレビ VS YouTubeのパワーバランスの歪みを直さなければいけないこと」をメディアプランナー視点からお話しさせて頂きたいと思います。
メディアへ関わる方、プロモーション業務に関わる方へ少しでも共感頂き、価値ある情報を届けることが出来ればと思います。
テレビよりYouTubeの方が人気に感じる風潮に待った!!
「テレビ離れが進んでいて若い子はYouTubeしか見ない」「テレビは過剰なことが出来ないがYouTubeは自由だ」「YouTubeはテレビに比べて番組内容のクオリティが低い」・・・
同じ動画を映すプラットフォームと言うことから、テレビとYouTubeは様々な内容が比べられる時代になりました。
ここでYouTubeとテレビどちらが人気あるか私個人としては、
「YouTuberがテレビ出演している」
「テレビを主戦としていた一部の芸能人がYouTubeチャンネルを作る」
「トップYouTuberの収入が凄い」
「何かTVって規制が厳しいから」
「YouTube配信発で有名になれる」
上記の理由から「YouTubeの方が人気高いのかな」なんて思います。
知人のお子さん(小学3年生)なんて、YouTubeの中でも将来トップYouTuberになりそうなチャンネル(登録者数50万人前後)の中から面白そうと感じたチャンネルをクリッピングして見ている様で、TVはほとんど見ない様です。
「世間から何となく聞こえてくる情報」「身近な人からの一つの情報」を聞いていると、「YouTubeの方が人気高いんだなー」なんて思うわけです!!
YouTubeの人気が急成長
今現在TVとYouTuberの視聴者数を比較したデータは見つかりませんでしたが、20代~30代はYouTube派になってきていると言ったデータを掲載した記事を見つけました。
データ内容を見ると、まだテレビ派の方が多いが、20代~30代がYouTube派に進んでいるとYouTubeが成長、テレビが停滞に見える内容のことが書かれている様に感じました。
「テレビの開局は1953年」「YouTubeのサービス開始は2005年」と歴史の長さが50年近くの差があることから、テレビの方がまだ根付いている中でも、YouTubeが急成長しているのには間違いありません!!
ただ、テレビが衰退してYouTubeが成長してメディアの利用者数のパワーバランスが崩れるにはまだ早過ぎます!!
YouTubeのマーケットがテレビを越えてはいけないのではなく、今はまだ超えてはいけないと言うことです!!
メディアの主役はまだTVで居てもらいたい理由
YouTubeの勢いがある中、なぜテレビより立場が上になるのを止めたいか?
① YouTubeは決まりが整っていない
② モラル無いYouTuberがどんどん増えている
③ エンターテイメント界では管理元が無ければ崩れる
④ 情報の発信元に真偽が混ざり過ぎている
上記4つの理由から今はYouTubeよりもテレビの方が大きなメディアであるべきだと思います!!
YouTubeは法律が整っていない
YouTubeでは「TV番組・映画・ライブ映像を著作権無視した動画」や「一般的なモラルに反した一般人の撮影した動画」を許諾無しにアップロードが今現在出来る環境です。
上記の違法動画はYouTube上の法律により後に削除されるのがほとんどですが、テレビは「放送法や電波法」により、YouTubeには比べて法律が出来上がっており適応されています。
ジャーナリズムに反した内容のOAがテレビにもあるのかもしれませんが、そこは感情での話しが入ってしまう為割愛させてください。
また、テレビはOA後に誤情報を流してしまうこともありますが、誤情報に対する対応元はTV局(企業)が責任を被る体制が出来上がっています。
一方、YouTubeに関しては誤情報以外にもモラルに反した動画を上げた場合、責任元は現状では動画を上げた個人になります。
YouTubeも著作権関係のトラブルでYouTubeの管理会社とメディアでやり取りがありましたが、動画内容の責任問題を追及するのは、アップロードをした個人が責任問題を追及される動画プラットフォームになります。
勿論YouTubeも巨大な動画プラットフォームであるから「法の整備」は強化していると思いますが、まだまだ法律が整備されていない環境の中で、テレビより大きな動画プラットフォームになるのは早過ぎます!!
モラル無いYouTuberがどんどん増えている
現在YouTuberの中に、「人としてのモラルに反したことをして広告収益を稼ごうとする行為」や「YouTubeを自分のブランディング目的で無茶する人間」がいます。
YouTuberは「人の為になること」「笑顔にすること」「有益な情報を得ること」が出来る内容であれば、広告収益の制度は個人的には大賛成ですが、明らかに人が不快になる内容の動画を上げて広告収入を稼げるのは良くないです!!
「モラルに反する行為をすればお金稼ぎが出来るんだ」と認識されると、それに賛同してモラルの無い行為をする人間がどんどん増えてきてしまいます・・・
お金稼ぎはモラルに反してしまうことがまかり通る状況になってしまうと、世の中がどんどん悪い方向へ向かってしまう可能性があります。
また、モラルに反したYouTuberは、動画内容によってアカウント凍結(垢バン)される様になってきたり、広告を付けられない状態にはなってきました。
ただ、多くの人間が集まるYouTubeの中で「広告収入はいらないから自分が有名になって、他の場所でお金儲けしてやろう」と考えているモラルに反したYouTuberが存在しています。
誰でも簡単にアップロード出来て、YouTubeを悪い意味で利用しようとする人間が数多くいるうちは、管理元がしっかりしているテレビの方が大きな動画プラットフォームであるべきなのです!!
エンターテイメント界では管理元が無ければ崩れる
「YouTubeは法律が整っていない」でも書かせて頂いた「動画の管理」についてテレビとYouTubeを比べた内容を書かせて頂きましたが、エンターテイメントを写す動画プラットフォームでは、管理元の基盤が出来上がってないといけません!!
人間の特性か日本人の特性か分かりませんが、エンターテイメント関係の面白さを追求するジャンルに関して完全自由にすれば、歯止めが効かなくなってしまうことが多いと思います・・・
個人的には「ガチ系のバイオレンスエンタメ」「悪ふざけのエンタメ」「ちょっとお下品なエンタメ」は好きですが、不快なエンターテイメントは人一倍嫌いです!!
そんな歯止めが効かなくなってしまうと、笑えない悪ふざけを美徳としてエンターテイメントを作り上げる人間が出てきてしまいます。
エンターテイメントに対する価値観は人それぞれだからこそ歯止めが無いことで、非常識で不快なエンタメが出来上がってしまうのです!!
だからこそ、管理元がしっかりとしなければいけないのです!!
その為、まだ動画の管理元が個人に最も責任が行ってしまうYouTubeがテレビよりも大きなメディアになってはいけないのです!!
テレビに比べてネットは虚偽情報が多い
テレビの情報が必ず正しい保証は私には出来ませんが、テレビに関しては情報元を大切にしています。
中でも地上波の民放局はインターネットよりも誰でも見られる動画プラットフォームだから、誤った情報を流さない様にとても慎重になります。
虚偽情報をOAしてしまい、番組が終了してしまう恐れもあります・・・
その為、原則テレビで流す情報の正当性はしっかりしています。
一方インターネットは誰でも簡単に情報を発信出来る為、情報の正誤性が正確ではありません!!
簡単に嘘の情報を真実性のあるかの様に流すことが出来ます。
これはインターネット上にあるYouTubeも同様です。
「芸能人の●●はあーだこーだ」なんて無いことを簡単にYouTube上で流している人間もいます。
ワイドショーで「あーだこーだ」言っているテレビはありますが、YouTubeはそれ以上に「あーだこーだ」言っている動画プラットフォームです。
テレビはOA時間が決まっていますが、YouTubeは動画に制限時間が無く、話しを止める人間がいないことから、発信者が言いたいことを自由でエンドレスに言える為、虚偽の情報が沢山あるのかと思います。
簡単に嘘が発信出来るYouTubeを動画プラットフォーム1番のメディアにするにはまだ早いです。
毒舌に聞こえたらすいません・・・最後にテレビとYouTubeへ言いたいこと
テレビとYouTubeを比較して書かせて頂きましたが、YouTubeを否定的な形で書かせて頂きました。
ただ、決してYouTubeが悪いコンテンツだなんて思っていませんし、私もYouTuberの動画で好きな動画ありますし、YouTubeで調べごとする時もあります。
それに、個人的に、文化やトレンドが変わる時って個人的には期待を持つタイプの人間ですので、YouTubeが動画メディアのトップに行く時代があっても良いと思います!!
映画が動画プラットフォームの主役だった時代がテレビに変わった時代に生まれていれば、恐らくそのトレンドの変化に大興奮していたのではないかと思います!!
ただ、文化やトレンドが変わる場合にはそれだけの変わる理由付けが必要であり、YouTubeの様なルールが確立されていないカルチャーがテレビを超えるのは正しくありません!!
テレビが好きだから言いたいこと
「テレビの規制がうるさくなった」「若者はスマホ文化だ」なんて言われてテレビから離れてしまう風潮が出てきているのはテレビにとってはマイナスですが、視聴者の世代に合わせた「らしいテレビ番組」を作ってもらいです!!
インターネットに媚びても良いことありません!!
テレビ局も「偉い方の意向」があって、年功序列的な「今までの業界ルール」があるから視聴者への気遣いが過ぎて、人気のあるモノゴトに乗っかる体制が出来上がっているのかと思います・・・
でも媚びて番組作っても本当面白くないからテレビ離れって言われているんだと思います。
企画を深掘りして、頭の回転が滅茶苦茶速くて、素晴らしい企画を作り上げる方が沢山いるのを知ってるからこそ言いたい!!
テレビ番組を作る側でなく、プロモートする側の人間が生意気言って本当すいませんが、テレビが好きなので言わせてください!!
YouTubeが好きだから言いたいこと
ユビキタスな時代が到来した中、スマートフォンで見ることがデフォルトなYouTubeはスマートフォンの大きさ内で魅力的な動画が生まれてきているのかと思います。
ただ、
「ガチを謳ってヤラセで視聴者騙いで広告収入稼ぐYouTuber」
「不祥事してその後にスーツを着て頭を下げた写真をサムネイルにしている炎上系YouTuber」
「人の歌を歌って広告収入稼ぐモノマネにリスペクトを持たないYouTuber」
「食べ物の咀嚼音聞かせて広告収入稼ぐYouTuber」
「慈善活動的な理由を付けてお金稼ぎの為に危ない橋を渡って(フリして)広告収入稼ぐYouTuber」
こんなのを人気コンテンツにする動画プラットフォームでいると、クリエイティビティさが重視されずに金儲けが出来ると勘違いさせてしまい、どこかのタイミングでエンターテイメントが2流3流に落ちてしまうのではないでしょうか?
「ジャスティンビーバー」や「ザウィークエンド」は奇跡的にYouTubeにハマった一例です!!
もっと「為になる情報を提供してくれるYouTuber」「クリエイティビティの高いYouTuber」の評価を上げて、「汚いやり口」「クリエイティビティやユーモアセンスを感じない」YouTuberは一切広告収入を出さない様にして欲しいです!!
場合によってはYouTube以外の動画プラットフォームでも一生アカウント作れない位徹底的に追い込みかけるべきです!!じゃないと・・・
GoogleのYouTube運営事情を知らずに偉そうなことを言っているかもしれませんが、動画内容にクリエイティビティさを求める動画プラットフォームになって頂ければです。
若い無茶なことやバカなことするYouTuberの方が沢山いて楽しいですし、YouTubeが大好きだから偉そうなこと言ってしまいました・・・